こんにちは!蔵人ライターのモリカワです。
みなさんは普段、どんなアテで海童を楽しんでいますか?
私はお刺身と「海童 祝の赤」の組み合わせが好きなのですが、最近はカロリーを気にせず、ポテトチップスやフライドポテトなどジャンキーな食べ物と海童を合わせるのもいいなと思っています(笑)。
先日の座談会では、アンバサダーさんから、さつま揚げやキビナゴなど、海童のアテには地元・鹿児島のグルメが一番合うという意見が多数ありましたので、今回のテーマはズバリさつま揚げ。
芋焼酎に合う鹿児島グルメといえば、やっぱり名物のさつま揚げですよね。なかでも今回の記事では、海童の地元、いちき串木野市でさつま揚げを製造しているメーカーさんを取材してきました。
いちき串木野市のさつま揚げは一味違いますよ!
訪れたのは、昭和3年頃に創業した老舗「髙浜蒲鉾(たかはまかまぼこ)」さん。4代目社長・髙濵良太朗さんに、さつま揚げの歴史から同社のこだわり、そして、焼酎に合わせた楽しみ方まで教えていただきました。ぜひ海童片手にご覧ください♪
さつま揚げのルーツを学ぶ
――髙濵社長、今回はよろしくお願いします。ではさっそくですが、そもそも、鹿児島でさつま揚げが作られるようになった背景を教えてください。
髙濵社長「もともと、いちき串木野市は漁村だったというのが大きな要因だと思います。昔からアジやサバなどが近海でたくさんとれていたのですが、鮮魚の状態だと長く保存できないために、魚を加熱して油で揚げて加工するようになったのが、さつま揚げのルーツと言われています。例えば、全国を見ても、小田原や下関などにも漁村があり、やっぱりそういう土地では練り物の生産が今でも盛んに行われていますよね」
――漁村ならではの加工食品としてさつま揚げができたわけですね。では、全国各地にある練り物と鹿児島のさつま揚げの違いはどういった点にあるのでしょうか?
髙濵社長「諸説ありますが、鹿児島の場合は琉球との交易の中で、油や砂糖が入ってきていたので、そうした異文化の素材を取り入れながら独自の食べ物として出来上がったと言われています。特に砂糖は、当時貴重なものだったため、さつま揚げに砂糖を入れることでおもてなしの品として作られたという側面もあったと聞いています」
――確かに甘味を感じるのも鹿児島のさつま揚げの大きな特徴ですよね。鹿児島県内でも地域差があるのでしょうか?
髙濵社長「砂糖や地酒を入れる量は、多少地域差があるかもしれません。あとは、豆腐を入れることで柔らかくするのも特徴です。例えば、いちき串木野市や阿久根市のさつま揚げは、比較的柔らかい印象ですので、地域によって違った味わいもお楽しみいただけるのではないでしょうか。それもこれも、製造メーカー各社が改善を重ねて、甘味だったり柔らかさだったりを少しずつ変えていったことで、その地域ならではの味になっていったのではないかと思います」
ほんのり甘くて毎日でも食べ飽きない味
――その中で、髙浜蒲鉾さまのさつま揚げの特徴についても教えてください。
髙濵社長「串木野は比較的柔らかいさつま揚げが多く、その理由に豆腐を使っているというのがありますが、当社の上揚げ(さつま揚げ)は豆腐を使わずに柔らかく仕上げているのが特徴です」
――豆腐を使わずに柔らかくするためにはどのような工夫をされているのでしょうか?
髙濵社長「石臼と杵を使って丁寧にすり身をすり合わせることで、ふわふわもちもちの食感を実現しています。豆腐が入らない分、すり身の比率が高いため、素材の旨みもしっかりと感じます。これが当社独自の味になるわけです」
――確かに、髙浜蒲鉾さんのさつま揚げは優しい食べ心地で飽きがこずに食べられますね。
髙濵社長「串木野の中でも、当社のさつま揚げはそこまで甘くないので、お客様からも『ずっと飽きずに食べられる味』と言っていただくことがよくあります。当社が目指すのは、一口食べてパンチが効いたようなものではなく、ご飯のおかずとしても食べられるさつま揚げです。そのまま食べるのはもちろんですが、出汁も出ますので、お鍋や汁物に入れていただくお客様も多いですね」
軽く炙ったさつま揚げが焼酎との相性抜群!
――では、そんな髙浜蒲鉾さんのさつま揚げを海童と一緒にいただくとしたら、どんな食べ方がおすすめですか?
髙濵社長「やっぱり、地元の酒には地元の食材がよく合いますよね。なので、さつま揚げに色々味付けをするよりも、少し炙ってそのまま食べていただくのが良いと思います。油を敷かずにフライパンで軽く焦げ目が付くまで炙ったり、トースターを使うのもありですね。私も海童はよく飲むのですが、炙ったさつま揚げといただくのが本当においしいです。まさに、それぞれの素材を引き立て合う、ベストパートナーです。ぜひ一度試してみてください」
――そのお話を聞いただけで「炙りさつま揚げ×海童」がおいしいのがわかりますね!さらに、髙浜蒲鉾さんでは伝統の「はんべん」やさつま揚げの新ブランドなども販売されています。「はんべん」は、白身魚のすり身に、豆腐や砂糖、芋焼酎、地酒、卵で作る、甘くてふわふわした鹿児島の伝統的な食べ物ですね。御社ではどのように作られているのですか?
髙濵社長「当社の『はんべん』は、一つ一つ手焼きで仕上げています。というのも、気温や火の当て方が微妙に違うだけで味わいが変化するほど繊細な商品なんです。だから、味付けや食感に気を遣いながら丁寧に火入れするのがとても重要になってきます。そのため1日に作れる量が限られてきますので、予約して買いに来られるお客様も結構いらっしゃいますね」
――予約をするか早い時間に購入するのが良さそうですね。さつま揚げの新ブランド「吉之助キッチン」もあります。
髙濵社長「新感覚のさつま揚げとして開発したのがこの『吉之助キッチン』です。さつま揚げって、どうしても茶色いイメージがありますよね。私自身、そのイメージを覆して、もっと華やかな商品が作れないかと思い、2015年頃から構想と試作を重ねて、2018年にようやく形にすることができました」
――確かに、色とりどりで一見するとさつま揚げには見えないものもありますね。どのような点が苦労されましたか?
髙濵さん「やはり色味ですね。揚げるとどうしても茶色になってしまうので、試行錯誤を重ねた結果、野菜パウダーを使うなどして、これだけカラフルなさつま揚げを作ることができました。定番の上揚げをはじめ、全部で8種類ありますので、伝統的なものから新感覚な味まで、幅広く楽しめるセットになっています」
髙濵社長、いちき串木野市におけるさつま揚げの特徴やおすすめの食べ方まで、親切に教えていただきありがとうございます!上揚げ以外にもたくさん種類があるので、いろんなさつま揚げを炙って食べ比べてみるのもいいかもしれませんね。
ここで紹介した商品は、もちろん店頭で購入できますが、オンラインストアにも対応しています。私も買って帰って炙っていただいたのですが、海童との相性は今までのアテと比べるとワンランク上!びっくりするほどよく合います。遠方の方もぜひお取り寄せしてみてください。
また、店舗に併設されている工場を見学することもできます。料金は無料ですが、工場が稼働する午前中が狙い目。石臼ですり身を作る工程からパッキングまで、じっくりと見ることができますよ。
また、機会があれば、鹿児島グルメを紹介したいと思います。みなさんも海童に合うおすすめグルメがあればぜひSNS等で教えてください!
では、また次の記事でお会いしましょう!
髙浜蒲鉾
鹿児島県いちき串木野市薩摩山13301-1
0996-32-7160
https://satuma-takahama.co.jp/