みなさん、こんにちは蔵人ライターのモリカワです!
前回に続いて、海童ファン蔵部の1周年を記念して開催された「海童の物語を体験する2日間@いちき串木野ツアー」の後編(2日目)をお送りします!
前編では、海童を製造する「傳藏院蔵」のほか、冠岳や薩摩藩英国留学生記念館など、海童にゆかりがあるスポットを見学し、夜の宴会の様子もお届けしました!
最終日となった2日目は、濵田酒造の「薩摩金山蔵」と「伝兵衛蔵」2つの蔵を巡ります!
それでは、リポートの後編をどうぞ!
旧金山の坑洞をトロッコで進む「薩摩金山蔵」
午前中は「薩摩金山蔵」からスタートです!
バスでホテルを出発し、いちき串木野市の中心部から山手に進み、15分ほどで到着しました。
自然に囲まれた山あいにある「薩摩金山蔵」
「薩摩金山蔵」は、濵田酒造における「継承」をテーマに、焼酎の伝統や文化を後世に語り継ぐ蔵として誕生しました。かつて薩摩藩の栄華を支えた串木野金山跡を利用して焼酎造りや貯蔵を行う、国内でも非常に珍しい焼酎蔵です。歴史ある場所を巡る緊張感もあり、背筋もピンとなります。
薩摩金山蔵は、実際に金を採掘していた坑洞がいくつも通っており、迷路のように交差しています。その一部を焼酎仕込みの蔵や長期熟成貯蔵庫として利用しているため、途中まではトロッコに乗って進むんです。なんだかアトラクションみたいですね。
トロッコに乗っていざ見学ツアースタート!
まずはみんなでトロッコに乗り込み、ガタンゴトンと揺られながらゆっくりと坑洞を進んでいきます。まるで金を採掘されていた時代にタイムスリップするような不思議な感覚に終始ワクワクです♪
初めて体験した参加者も多く、みなさん童心に帰って楽しんでいる様子でした。
坑洞内の駅でトロッコを降車して見学スポットへと前進していきます。坑洞は基本的に採掘当時の状態で、掘り進んだ跡がそのまま残っており、今度は冒険家の気分で好奇心が止まりません。
坑洞を進んだ先にどんな見どころが待っているのか
ダイナマイトや爆薬の倉庫がお出迎え
見学ルートには当時使用されていたダイナマイトなどの爆薬(レプリカ)や「巻揚機」などの大きな機械も展示されていて、金山の名残を肌で体感することできます。
レールを敷いて鉱石を運び出しながら掘り進める「掘進機械」
作業員や鉱石を運搬するために使用されていた「巻揚機」
そこからさらに進むと、焼酎の仕込み蔵が見えてきました。
薩摩金山蔵では、幻の麹といわれる黄金麹を使用し、「どんぶり仕込み」をはじめ、昔ながらの伝統的な製法で焼酎を製造しています。その様子がミニチュアによってわかりやすく展示され、通常の焼酎造りでは見られない製法にみなさん興味津々でした!
昔ながらの製法がわかりやすく展示されていました
「どんぶり仕込み」も間近で見学
そして圧巻だったのが、坑洞の奥まで甕がずらりと並ぶ長期熟成貯蔵庫。温度・湿度が年間を通して一定という焼酎の貯蔵に適した坑洞の環境が、より一層焼酎をおいしくしているのですね。
甕がずらりと並ぶ長期熟成貯蔵庫
また、薩摩金山蔵の地上施設では清酒も製造されています。鹿児島は本格焼酎の本場として有名ですが、同じ日本固有のお酒である清酒という本格焼酎とは異なる領域から学ぶことで本格焼酎の進化を重ね、真価を高めていくという想いで清酒造りに取り組んでいるそうです。
私もお土産に購入した薩州正宗を味わいながら、しばらく金山蔵の余韻に浸ろうと思います♪
ちなみに、薩摩金山蔵では本格芋焼酎「熟成と共に福来たり」を購入して、最大5年間坑洞内で貯蔵してもらえるサービスも人気。ラベルに思い思いのメッセージを記入して、坑洞内の貯蔵スペースで保管してくれます。そして、1〜5年後の指定した日にマイ焼酎が手元に届くというシステム。大切な人との記念日やサプライズにぴったりですよね。参加者の中にも記念に購入して、届く日を楽しみにされている方もいました。金山蔵を訪れた際にはぜひチェックしてみてください!
坑洞内に貯蔵保管される本格芋焼酎「熟成と共に福来たり」
そして実は薩摩金山蔵には焼酎や貯蔵庫以外に2つのパワースポットが存在します。一つは、強運の持ち主といわれる薩摩藩第17代当主の島津義弘公をご祭神とした「薩摩開運神社」です。傍に祀られた金の含有量が非常に多い金鉱石に触れるとご利益があるそうで、みなさんしっかりと開運を祈願されているようでした。
パワースポットその1「薩摩開運神社」
そしてもう一つは、坑洞での佇まいが神々しい黄金の観音像です。私はそのゴールドパワーにあやかるべく、早速スマホの待ち受け画面に設定して、日々宝くじ当選を祈っていおります(笑)。
パワースポットその2「黄金の観音像」
串木野金山にロマンを馳せ、坑洞の奥深くにある貯蔵庫に驚嘆し、そしてパワースポットでの開運祈願まで、薩摩金山蔵でしか体験できない非日常の見学ツアーはお伝えしきれないほど盛りだくさんすぎる内容でした。またぜひ訪れたいですね。
一行は薩摩金山蔵を後にして、最後の目的地「伝兵衛蔵」へ向けて出発!
「伝兵衛蔵」で創業以来の伝統的な焼酎造りを見学
ツアー最後の目的地は、濵田酒造の3つ目の蔵「伝兵衛蔵」です。こちらは、「伝統」をテーマに、明治元年の創業以来、伝統製法による焼酎造りが行われている蔵です。
創業以来の伝統製法にこだわる「伝兵衛蔵」
まずは、創業当時からの焼酎造りに使用していた道具などを展示しているミュージアムを見学。そして、実際に稼働中の焼酎製造エリアへと移動し、ずらりと並んだ仕込み甕や、希少な木桶蒸留器も間近で見ることができました。
実際に仕込み中のもろみを見せていただきました
貯蔵庫には無数の甕が並んでいます
この木桶蒸留器は、鹿児島県内の酒造メーカーの中でも、ごく一部の蔵でしか使用されていない非常に珍しい設備です。私も木桶の蒸留器を初めてみました。まさに伝統ですね。
焼酎王国の鹿児島でも珍しい木桶蒸留器
中央の樽が両サイドに比べて明るい色をしていますが、これは、今年(2022年)5年ぶりに新しく交換されたもので、この木桶を作る職人さんですが現在は一人しかいらっしゃらずとても希少な蒸留機なんだそうです!
そして、そんな新しくなった木桶で最初に蒸留されたのが、「木桶初蒸留 原酒 粗濾過」。交換したての木桶で初めて蒸留した原酒として、数量限定だったのですが、この日は運良くゲットできました!木のほのかな香りをまとった、まさに特別な味わいでした。
濃厚で個性的な香りと味わいに仕上げた「木桶初蒸留 原酒 粗濾過」
見学も終わり併設の売店へ。ここでは焼酎の試飲ができるコーナーが用意され、みなさんも実際に試飲しながらお土産や買い物を楽しんでいる様子でした。
販売する焼酎を試飲させていただきました
充実すぎる2日間を終えて、みなさん大満足!私も含めみなさんお土産でカバンもパンパンです。
埼玉から参加したKさんは「コロナ禍になってイベントなどが制限されていましたが、今回実際に蔵見学もできて嬉しいです!」と参加できた喜びを実感していました。
そして父親と参加されたKさんは「本当に楽しかったです。また来年もぜひ開催してください!」と名残惜しげに笑顔です。
また、地元鹿児島から参加の方も多く、「イベントと焼酎が大好きなので参加しました!みなさんとの交流も楽しかったです」(Sさん)、「改めて海童が大好きになりました!これからもたくさん飲みたいと思います♪」(Nさん)と大絶賛!
鹿児島の焼酎が大好きという埼玉から参加のKさん夫婦
お目当ての焼酎を購入できたKさん
参加者には、濵田酒造から一人ずつお土産をプレゼント!
焼酎大好きなNさん(右)とFさん
地元鹿児島から参加のSさん夫婦
地元鹿児島から参加のMさん夫婦
Kさんご夫婦(左)とFさん親娘(右)の関西チームも鹿児島を満喫♪
本当に盛りだくさんで充実した2日間。取材や撮影にご協力いただいた参加者の皆さまありがとうございました! またいつの日にかお会いしましょう!
そしてこんな素敵な企画を実現させてくれた濵田酒造のみなさんに、改めて感謝の気持ちがいっぱいです!
私も蔵人ライターとしてこれからも海童の魅力を発信し続けたいと思います!
では、また次の記事でお会いしましょう!